テーマ:恋愛

『あしたはうんと遠くへ行こう/角田光代』を読んで

家族からも、恋人からも、友達からもうんと遠く、 地の果て、地球の裏側まで行ってしまいたい、 という気持ちはわかるような気がする。 確かに見たくないものに蓋をして逃げるだけかもしれない。 だけど、時にはなりふりかまわず なにもかも投げ出して ただ、逃げるしかできないときもあるんじゃないだろうか。 逃げるだけじゃ根本的…
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『LEON』を観て

『LEON』 1994年:フランス・アメリカ合作 監督:リュック・ベッソン 出演:ジャン・レノ、ナタリー・ポートマン他 そんなに前、古い映画と云う意識はなかったのですが、 上映から21年も経っていました。 今更ながら、いい映画って 時が経ってもまったく色あせませんね。 観てから3時間以上経ちましたが、 …
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『色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年/村上春樹』を読んで

読んでいるあいだの約一週間、村上ワールドにどっぷり浸かることができた。 ハルキストとしては、それだけでもう充分なんだけれど、 これまで読んだ作品について、 ずっと自分なりの感想を書いてきたので、 今回も現時点で感じたことをまとめておこうと思う。 村上さんの主題の一つ、 「止めようなく損なわれ続ける」ことが 今回…
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『センセイの鞄/川上弘美』を読んで

賛否(と云うより、そもそも個々人の歳の差の恋愛に対する価値観の違いかもしれません) が大きく分かれる作品だと思うけれど、 気づいたらツキコ、センセイ両方の立場で、 代わるがわる視点を入れ替えながら読んでいました。 そもそも川上さんは、 自分の恋愛観を、歳の差のある二人に置き換えて 問題提起する気は元々なかったように感じま…
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『きみはポラリス/三浦しをん』を読んで

読む作家のレパートリーを広げようと思って、 図書館で三浦しをんの短編を借りてきました。 結論から云うと、このヒト、イイです。 まだ短編を一冊読んだだけなので、 すごくイイかどうかはわからないけれど、 自分の色、トーンを持っている、 力のある作家だと思います。 (三浦しをんさんのファンの方、偉そうな言い方をしてスミマセン…
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『おいしいコーヒーのいれ方 Second Season II 明日の約束/村山由佳』を読んで

大きな嵐の前夜とでもいうような静かなトーンだった。 っていうか、ほかに長編小説を執筆中なのか 趣味や生活が忙しすぎるのかわからないけれど 今回は気持ちが今ひとつ入っていないな、という印象を受けた。 心理描写をするときに、 「瞬発力」としか表現しようがないような 力を込めて書かれた個所もあるにはあるが 全体的な印象として…
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『東京タワー/江國香織』を読んで

大学生の心と生活のリズムをとてもうまく表現している作品だった。 耕二に象徴されるような あたかも世界は自分を中心に回っているような傲慢さや 多少の体力的な無理なら馬力で乗り越えてしまう強引さ、 恋愛でさえも自分の意思でコントロールできると 信じて疑わないところなど、 二十歳前後の僕にも多分にあったようにと思う。 一…
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『冷静と情熱のあいだ―Blu/辻仁成』を読んで

類は友を呼ぶとはこういうことなのだろう。 『冷静と情熱のあいだ』は、BluもRossoも それ単独で読んでも楽しめるし コラボ小説としてもかなり完成度が高いと思う。 ただ、両方読んで改めて感じるのは 江国さんの作家としての格の違いだ。 言葉にこめた気持ちの強さ、 文体の美しさ、 格調の高さ、 展開力、 …
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『冷静と情熱のあいだ―Rosso/江国香織』を読んで

序盤から中盤にかけてとても充実していたので、 かえって第12章「物語」、第13章「日ざし」が息切れしたかのような 印象を受けてしまった。 再会後、ハッピーエンドで終わらせないところは 大人の小説のボトムラインを守ってくれたとは思うが、 それまで江國ワールド全開であっただけに 「ガス欠」のような印象を受けたのは僕だけではな…
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『ぬるい眠り/江国香織』を読んで

江国さんの清潔感が好きだ。 今回は特に異なった味の短編ばかりだったが、 清潔感というか、清涼感というか 「少し青みを帯びた白」はどの作品も共通の色だった。 内容は決して清潔な話ばかりではないけれど、 むしろ倫理的には問題のあるものも多いが 江国さんが描く世界はなぜだか清潔に感じてしまうから不思議だ。 たぶん江国さん…
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『泣かない子供/江國香織』を読んで

『ラルフへ』について。 文中の江國さんの言葉に、 文字通り言葉を失った。 (以下本文より引用) 『その友人は独身ですが、 結婚している女性と恋をしたことは一度もないし、 自分がしたら、 奥さん以外の女性と恋など決してしないと言うのです。 「要するに意志の問題だと思う」 と彼は言いました。 その通りかもしれないけれ…
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『AND I LOVE YOU/DREAMS COME TRUE 』を聴いて

一流のアーティストって 一流であればあるほど 作品に自分の精神状態や 小さな心の動きまで如実に出てしまうんだね。 一曲目から胸が締め付けられるほど切なくて 「AND I LOVE YOU」は もう涙が止まらなかった。 こういう時に作品を出すことって 「歌わなければならないのはつらい」のか 「歌があるから何とか持…
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『きらきらひかる/江國香織』を読んで

映画で「冷静と情熱のあいだ」を観て以来、江國さんにはとても興味があったんだけれど、何故だかそれ以来縁遠くて、今回初めて手にとって作品を読んでみた。 都会的なモノトーンの色調なんだけれど、かさかさした感じのしない作品だった。 僕の性的な嗜好はヘテロだけれど、睦月の思考や気持ちはとてもよく分かるような気がした。 僕も20代の中盤頃…
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「野生の風/村山由佳」を読んで

なんてせつないのだろう。 エンディングに向けて読み進むに従って、胸が締め付けられるようにきりきりとなり、通勤電車の中で涙をこらえることが大変だった。 僕は常々、村山さんの他の作品を読んだ感想でも 「自分が求める人より、自分を求める人と一緒にいたい」 と言ってきた。 今でもその考えには変わりはない。 だが、しかし、…
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ZARD―坂井泉水さんの訃報について

坂井泉水さんが亡くなった。 知らせを聞いたあと、かなり長い間言葉を失った。 僕にとってREBECCAとZARDは特別な存在だった。 中学、高校のころレンタルショップで借りてきたCDをテープに録り、 ウォークマンで擦る切れるまでREBECCAを聴いた。 大学から社会人にかけれはZARDをカーステレオで聴きながら、…
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「おいしいコーヒーのいれ方 Second Season I 蜂蜜色の瞳/村山由佳」を読んで

村山さんの作品をリアルタイムで読むのは21作品目にしてはじめてだけれど、 最初に行った本屋が売り切れていて本屋を梯子する羽目になってしまった。 「この辺の本屋全てで売り切れていたらどうしよう」とかなりやきもきしたが、 ――歩き回っている間、それはそれで結構楽しくてワクワクしたのだけれど――何とか発売日に手に入れることが出来た。 …
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「もう一度デジャ・ヴ/村山由佳」を読んで

シンプルだけど、シンプルさが気持ちいい作品だった。 「星々の舟」を読んだ後ということもあり、 スピード感や清々しさがかえって新鮮に感じられて、読後感としては悪くなかった。 今回改めて感じたのは、 ケンカや争いごとなど「アクセルがグッと踏み込まれて」展開が速くなるところの描き方が この頃から既に一級品だったということだ。…
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「すべての雲は銀の…/村山由佳」を読んで

村山さんの小説は、主人公の男の子が一人称で語りを務ることが多いのだけれど、 ある意味男として最低な要素である「女々しくて嫉妬深い」性格であることが多い。 確かに今回の設定のように、 実の兄に恋人を寝取られ妊娠までしているとなると、そのショックは想像するにあまりまる。 祐介には酷なことではあるが、しかし、タカハシが言っているよ…
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「スプートニクの恋人/村上春樹」を読んで

サラッと読んだだけなら、最後にはすみれが戻ってきてハッピーエンドで何はともあれということなのだろうが、たぶんそんな単純なことではないと思う。 春樹さんのほとんどの小説に共通するテーマのひとつは、 「止めようもなく損なわれてゆくものと、変わらずにそこにあるもの」 「損なわれてしまったあとの耐え難い喪失感」 だと思うが、「すみれ…
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「夢のあとさき―おいしいコーヒーのいれ方〈10〉/村山由佳」を読んで

「おいコー」シリーズを読み始めてから毎日4~5時間しか寝れなくて 正直体力的にかなりきつかったけど、 とうとう第10巻まで読んでしまいました。 なんで勝利はこれほどまでに嫉妬深いのだろう、読んでるこっちまで気分が悪くなり 胸がムカムカしてくる、村山さんもどうせならもうちょっとイイ男に描いてあでればいいのに、曲がりなりにも主人…
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「聞きたい言葉―おいしいコーヒーのいれ方 (9)/村山由佳」を読んで

聞きたい言葉と、言いたい言葉・伝えたい気持ちとの間に、普段は意識することがあまりないだけで、とことんつきつめてみるとこんなに距離があるなんて思いもよらなかった。 テレパシーでもあればいいのにと子供じみたことを本気で考えてしまう。 喉からもう少しで出かかっても、すんでで呑み下す言葉もあるし、 相手の気持ちは十分すぎるくらい分かってい…
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「優しい秘密―おいしいコーヒーのいれ方〈8〉/村山由佳」を読んで

今回は幾つか山場があり、起承転結で言えば転にあたるのだろうか。 僕の印象に残ったのは、何と言っても星野りつ子が勝利のマンションを訪ねていったところだ。 なんてせつないんだろう。りつ子の痛みがこちらにも突き刺さってくるかのようだった。 僕ならいったいどうしただろう。 「どうせ人生、なるようにしかならない。抵抗するのをやめて、流…
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「坂の途中―おいしいコーヒーのいれ方〈7〉/村山由佳」を読んで

村山さんがあとがきでも言っているように 「変化を恐れない」ことは、人生観・生き方としてもとても共感できるし 物語の進展上必要なことも十分わかる。 「だけど」とあえて言いたい、「ちょっと待って、そう急ぐなよ」と云うか、なんだか置いて行かれてしまうような気がして焦燥感みたいなものを感じずにはいられなかった。 本当は「変化を恐…
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「遠い背中 -おいしいコーヒーのいれ方 〈6〉/村山由佳」を読んで

僕が勝利なら、どうするかを考えてみた。 僕なら花村の両親が帰国してきても、しばらくは適当な口実を作って多分下宿させてもらうだろうな。 佐恵子おばさんにさとられたくないと思う反面、心のどこかでは二人の雰囲気を感じてとって欲しい、ただならぬ関係を察して欲しいと多分思うのではないかと思う。 その後はしばらく和泉の実家に帰って、かれん…
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「緑の午後―おいしいコーヒーのいれ方〈5〉/村山由佳」を読んで

前巻までの流れでは、それぞれの登場人物のキャラクターも安定してきて 巻き起こるドタバタもある程度オチが予想できる中で そのプロセスでの勝利とかれんの心の動きを 時にはハラハラ・ドキドキしながら またある時はまどろっこしく感じさせながら 勝利に感情移入させる手法が多くの読者の共感を呼び、 「コメディタッチのほのぼのラブストーリ…
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「雪の降る音―おいしいコーヒーのいれ方〈4〉/村山由佳」を読んで

「海を抱く―BAD KIDS―」の読後感想にも書きましたが 村山さんの主題は「空虚感」ではないかという考えに 「おいコヒ」シリーズも根っこの部分では変わりはないと思います。 ただ、主題に対する光の当て方やその見方、 エッセンスの加え方、対象とした読者層の設定と 村山さん自身がこのシリーズに与えたいカラーが違うだけのような気…
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「ヘヴンリー・ブルー/村山由佳」を読んで

村山さん、まいりました。 もう、勘弁してください。 最初の数ページを読んだだけで、胸がきゅうううううっっっと苦しくなって、 「天使の卵」と「天使の梯子」を読んで流した泪の計2冊分が一気にあふれ出してきました。 後生ですから、もう勘弁してください。 今日はこれ以上のことを書けません。 この本の感想は後日改めて書きま…
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「彼女の朝―おいしいコーヒーのいれ方〈3〉/村山由佳」を読んで

読むのが人並みはずれて遅い僕が、1週間で3冊読んでしまった。生まれてはじめてかもしれないくらいのハイスピードである。 中毒症状は当分治まりそうにない。 村山さんは当然計算の上だと思うが、今回はあえて異を唱えたいことがある。 かれんは、――おそらく彼女のような晩生(おくて)の人にとっては――人生始まって依頼一大決心だと思…
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「僕らの夏―おいしいコーヒーのいれ方〈2〉/村山由佳」を読んで

不器用でもいい、 ゆっくりでもいい、 自分たちが「まっすぐ」だと信じる通を とにかく前を向いて一歩一歩歩いていけばいいんだ そんなことを教えられた一冊だった。 村山さんはホンとに上手いなあ、と思うのは 恋愛をしている時の 相手を深く好きになればなるほど その分不安も大きくなり、 些細なこと――でも本人たちにとってそ…
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「キスまでの距離―おいしいコーヒーのいれ方〈1〉/村山由佳」を読んで―雑感―

先日書いた感想の番外編です。 おそらく「おいしいコーヒーのいれ方」シリーズは、 目次のタイトルを、洋楽の題名または歌詞のフレーズから引用することを予定していたのだと思うが、「キスまでの距離」では“LET IT BE”と“STAND BY ME”が使われていた。 どちらも僕も好きな曲だし、好きなフレーズなのだが、とくに“ST…
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