「JOKAR」を観て

予想どおり重い作品だった。
貧富の差がほぼ固定され貧困家庭は一生貧困家庭のまま、余程の成功者でなければ抜け出すことができない階層社会は、けっして想像上の世界でなく、すでにこうなってしまっている国があるかもしれないし、日本だって今のままなら近い将来ゴッサムシティになってしまう可能性は十分ある。

「金持ちの証券マンが3人死んだら事件になるが、俺が野垂れ死んでも踏みつけられるだけ」

この言葉が象徴的で、社会の矛盾が集約されている。
もちろん、だからと言って破壊行為をしてもいいとか、人殺しをしてもかまわないと言うことにはならないが、貧しい家庭に生まれ十分な教育も受けず、定職にもつけない人に、頑張らなかったお前が悪い、自己責任だと突き放せるか。切って捨てることができるだろうか。
まさにこの点が公開後にR15指定になった理由だと思う。とても危険だ。

ダークナイト(The Dark Knight)は、勧善懲悪的な要素も多く、単純に娯楽として観ることもできるが、JOKERはとても哲学的だ。
自分の中にもある闇に対して、はっきりNOと言えるだけの強さや単純さは自分にはない。


監 督:トッド・フィリップス
出演者:ホアキン・フェニックス、ロバート・デ・ニーロ、ザジー・ビーツ、フランセス・コンロイ
製 作:2019年アメリカ

Joker (Original Motion Picture Soundtrack)
Joker (Original Motion Picture Soundtrack)