『あしたはうんと遠くへ行こう/角田光代』を読んで

家族からも、恋人からも、友達からもうんと遠く、
地の果て、地球の裏側まで行ってしまいたい、
という気持ちはわかるような気がする。

確かに見たくないものに蓋をして逃げるだけかもしれない。
だけど、時にはなりふりかまわず
なにもかも投げ出して
ただ、逃げるしかできないときもあるんじゃないだろうか。

逃げるだけじゃ根本的な解決にならないことくらい
きっと自分にだってわかっている。
でも、いまの自分には出口がそこにしか見つからないこともあるんじゃないだろうか。

一度退却して体勢を立て直すとか、
気持ちの整理をつけるための時間をとるとか、
自分が最終的には逃げきれない、
きちんと向かい合うしかないと分かってやっているのなら、
ぼくは肯定したい。

うんと遠くへ行ったなら
うんと遠くへ行けたなら
なにかが変わるだろうか。

「ねえイズミ、たった数か月かそこらで、
人の運命ってびっくりするほどかわることもあるのね」

結局のところ、
運命から逃げようと逃げまいと
そのときが来たら
人の運命って、かわってしまうものなのではないだろうか。

違いと云ったら
その時に自分が前を向いているか
後ろ向きなのかと云うことくらいで、
―もちろん、この違いは大きいが―
どのみち運命からは逃れなれない、
どう受け止めるかは自分次第ということなのだろう。

「この世の中に、弱い女なんてものは存在しないし、
おんなじように信用できる男なんてものも存在しないと思わない?」
「彼女は弱いって言う男は自分が弱いんだし、
彼は信用できるって言う女は自分が人を裏切らないたちなのよ。
人は、相手のなかに自分を見つけたいんだよ」

深いなあ。
角田さん、まいりました。



あしたはうんと遠くへいこう
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角田 光代

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