『TVピープル/村上春樹』を読んで

買った覚えはなかったんだけど
本箱から「ぽん」と出てきた。

下手な冗談ではないけれど
本当にホンがポンと出てきた。
何かの暗示か、予兆なのだろうか。

<TVピープル>
飛躍しすぎた考えかもしれないけれど
TVピープルはマスコミなんじゃないかと思う。

ある日突然、何の前触れもなく
そうすることがあたかも当然の顔をしてやってくる。

自分の家にも、勤め先にも、社会のありとあらゆるところに
現れ、入り込み、居座る。
最初は静かにしているが、やがて意見を唱え始める。
意見は正しい、間違っているという類のものではなく
100パーセントの事実として唱えられる。

はじめは異を唱える者がいても
あまりに明確に、一分の隙もなく言い切るものだから
異を唱えていた者もやがてTVピープルの言うことを信じるようになってしまう。

<飛行機>
飛行機とは、社会へ飛び出していけないことに対する
アンチテーゼみたいなものの象徴なのだろうか。

僕も独り言をよく言う。寝言もしょっちゅうだ。
だけど、ほぼ100パーセント意識して言っている。
無意識ということはない。

<我らの時代のフォークロア>
知り合いの「彼」とは、
高校生までの村上春樹さん自身ではないだろうか。

「60年代のタフでワイルドな空気をたっぷりと吸い込んだ」ことで
枠から抜け出ることができて、今は小説家になっている村上さんは、
高校までは「成績が良くて、運動ができて、親切で、リーダーシップがとれた」
ステレオタイプの優等生で、「彼」という第三者で表現することにより
誰にも言えない、理解されない鬱積した気持ちを
昇華させるために書いたのではないかと思う。

<加納クレタ>
村上春樹さんの作品で
複数の作品に登場するのは
「僕」を除けば、羊男と加納マルタ・加納クレタだけではないだろうか。

ねじまき鳥をもう一度読んでみたくなった。

<ゾンビ>
いちばん短いけれど
いちばん難解な作品だった。

このあと、彼女は彼に食べられてしまうのだろうか。
もしくは、食べられそうになって悲鳴を上げると
湖畔のホテルのベッドで、夢から覚めるのだろうか。

<眠り>
健康への悪影響さえなければ
眠っている時間は極力減らしたいと思っていた。
眠っている時間は、死んでいるのも同然と、かなり真剣に思っていた。

眠らないということは、
過去と未来が途切れることなくつながっているので
過去の影響を、直接未来が受けてしまうことになる。
それがいかに危険なことかと言うことを
著しているのではないか。

眠ると言うことは、
一旦そこでリセットできるため
過去とのしがらみを断ち切ることができる。
断ち切ることができるからこそ、
傷ついても、恥をかいても、怒っても、悲しんでも、泣いても、笑っても、
明日がくれば何とかやっていかれるのではないか。


どの作品も、村上さんらしいと言えばそれまでだが
文書は平易でも内容は難解だった。

現時点ではこれだけの感想を書くのが精一杯かも。



TVピープル (文春文庫)
文藝春秋
村上 春樹

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