「雪の降る音―おいしいコーヒーのいれ方〈4〉/村山由佳」を読んで

「海を抱く―BAD KIDS―」の読後感想にも書きましたが
村山さんの主題は「空虚感」ではないかという考えに
「おいコヒ」シリーズも根っこの部分では変わりはないと思います。

ただ、主題に対する光の当て方やその見方、
エッセンスの加え方、対象とした読者層の設定と
村山さん自身がこのシリーズに与えたいカラーが違うだけのような気がします。

こういうカラーのものも書いて、作家としての心のバランスを保つ意味もあるかもしれません。

モノトーンの小説ばかり書いていると
作家もやはり人の子だから
クールやシニカルにこそなれど
暖かい気持ちにはなりにくくなってしまうのではないかと思うのですが
やはりそこはプロ、素人が考えるほど
作家本人が自分の書いた作品から影響を受けることは少ないのかもしれません。


村山さんもあとがきで書いていたけれど
「雪の降る音」って確かにあります。
僕も学生時代新潟に住んでいたので感覚的にもすごくわかります。
音というよりも、気配と言ったほうが近いかもしれません。

でも今思うと、寒いのが苦手なのに
なぜ雪深い新潟へ行こうと思ったのか不思議です。自分のことながら、謎です。

そのころの僕は、全然裏付けなんかないのに虚勢ばかり張って強がっていました。
本当は自身なんて全くなく、勝利君に負けず劣らず不安だらけでした。
好きになった女性に対してなんて特にそうでした。
下宿で1人暮らしをして、太宰治ばかり読んでいたから
今思うと相当に屈折していたと思います。

だからかもしれないけれど、
勝利君の気持ちは痛いほどよくわかる。

多分男性読者の大半も
勝利君に自分をシンクロナイズさせて
どきどきしながら読み進めているのだろうけど
僕の場合は、19の頃の自分にあまりにも共通点が多いためか
勝利君の不甲斐なさに真剣に腹が立ってくる。

勝利君、みんなが応援しているから、とにかくがんばれ。

また感情移入しすぎて、書きすぎてしまいました。


雪の降る音―おいしいコーヒーのいれ方〈4〉

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