「彼女の朝―おいしいコーヒーのいれ方〈3〉/村山由佳」を読んで

読むのが人並みはずれて遅い僕が、1週間で3冊読んでしまった。生まれてはじめてかもしれないくらいのハイスピードである。
中毒症状は当分治まりそうにない。


村山さんは当然計算の上だと思うが、今回はあえて異を唱えたいことがある。

かれんは、――おそらく彼女のような晩生(おくて)の人にとっては――人生始まって依頼一大決心だと思われるほどの思いで、勝利のシャツの裾を引っ張りながら「・・・・・・今日は鴨川にいない?」と言ったのに、勝利はあそこでやめてしまってはいけない。

たとえ大地震や台風で家がぺしゃんこになってもあそこでやめるべきではないのだ、と思う。

おそらく「今夜は鴨川にいよう」と決心した時のかれんは、一時の感情に押し流されたのではなく、
もっとずっと前から肉体の怖さを凌ぐ強い気持ちで勝利とひとつになりたい、そのためにはどんな恐怖も乗り越えられる、決心が出来ていたんだと思う。
だから、どんなに身を硬くしていても拒もうとはしなかったのではないか。

だから、最終的に今回は断念せざるを得なくても、断じてあそこでやめるべきではないのだ。(ちょっと力入れすぎ?感情移入しすぎ?)


改めて村山さんは凄いなあと思うのは、18・19の男の気持ちがなんであんなによくわかるのかなあと言うことだ。
自分もそうだったけど、その年頃の男坊主は頭で恋愛しすぎるところがある。今になって思えば、もっと肩の力を抜いて、自然体で気持ちを表現すればいいのにと思う。
それは決して「欲望のままに行動する」こととは違うのにね。
でもその頃は見分けが付かないんだろうなあ。

今の僕なら出来るかって?、そりゃあもちろん・・・・!?


彼女の朝―おいしいコーヒーのいれ方〈3〉

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この記事へのコメント

2007年04月08日 21:14
こんばんは。
ハイスピードで読み上げましたね!
大事な場面での・・・力説が・・・♪
想いとはうらはらに、なかなか上手く
いかないもどかしさを経験しながら、
大人の男になるんですねぇ。。。
この小説を読んでいて、勝利の背中を
押している自分がいますょ☆
いろいろ感想文
2007年04月08日 21:41
凛さん、いつもコメントありがとうございます。
自分もそうだったけど、18・19の男って、根拠のない自信と裏づけの薄っぺらさからくる不安が、表裏一体で目まぐるしく入れ替わります。山村さんて、そのあたりの描写が天才的に上手いですね。
読んでいる僕らも当然楽しませてもらっていますが、もしかして一番楽しんでいるのは、村山さん自身かもしれませんね。

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